GIA(Gemological Institute Of America)について
GIAの歴史
1931年、宝石商のRobert M.ShinpleyがGIA(Gemological Institute of America)を設立しました。GIAはアメリカ・カリフォルニア州に宝石学教育と宝石の鑑別・鑑定機関を持ち、宝石についての正しい知識を広めるための非営利団体として作られました。
1953年にはダイヤモンドの世界的な品質評価基準の4cを定めました。
4cが定められるより以前は、世界中でダイヤの価値を見極める基準がなく品質において正確な鑑定が出来ていない状態でした。そのため、鑑定士によりダイヤモンドの価値にバラつきがあり、流通するダイヤモンドに対する信頼性が少なかったそうです。
しかし、GIAの定めた「4c」によりダイヤモンドの価値が世界共通で認識され、ダイヤモンドを扱う鑑定士、小売店、更には消費者もダイヤモンドの品質を正確に見極めることが可能となりました。ダイヤモンドに関する世界共通基準を生み出すことに成功したGIAは、世界中の宝石学会組織の中で最も信頼のおける鑑定機関となっています。
GIAの特徴とは
GIAには宝石学を学ぶ教育機関や宝石の研究所、グレーディングレポートを発行するラボ、宝石の鑑別機器の開発という4つの機能があります。教育機関は13ヶ国14都市に10のキャンパスを持ち、9つのグレーディングと宝石鑑定のラボ、5つのラボ受け入れ場所と4つのリサーチセンターを展開しています。(GIAHP参照)
この教育機関で宝石学を学び難関の試験に合格した者には「GIA-GG(Graduated Gemolosist)」という素晴らしい称号が与えられます。これはダイヤモンドをはじめ幅広いカラーストーン等の総合的な宝石学の知識を持つことを意味します。GIA-GGは世界中の鑑定・鑑別機関で鑑定士として活躍している人や宝石商(ジュエラー)が数多く持つ宝石のプロフェッショナルの証となっています。
GIAの鑑定書の項目について
ダイヤモンドの鑑定書はカラット(重量)、クラリティ(透明度)、カラー(色)、カットからなる4つの項目で評価されています。これは世界基準であり、「4C」と呼ばれています。
4Cの明記と共にダイヤモンドの図で各部の詳細データを記載しています。
詳細データとは、ダイヤモンドの直径の最大値から最小値、テーブル面からキューレットまでの深さ、テーブル面の割合、クラウン角度、パビリオン角度、ガードルの厚さ、紫外線を照射したときの蛍光性の強さ、クラリティの特徴などを鑑定書の図の中に記載します。
また、GIAの鑑定書にはひとつひとつにGIA Report Number(レポートナンバー)があります。鑑定されたダイヤモンドには同じ番号は存在しない個体番号が振られており、GIAのサイトでその「レポートナンバー」を入力すると、インターネット上でも鑑定内容を確認できる、他の鑑定書にはない画期的なシステムもあります。
また、GIAのダイヤモンド鑑定書は「ダイヤモンドグレーディングレポート」、コンパクトサイズの「GIAダイヤモンドドシェ」の2つのタイプがあります。違いとしては、GIAダイヤモンドドシェにはリファレンスダイヤグラムズ(内包物の位置を示す図)がなく、0.15カラットから1.99カラットのダイヤモンドにはGIAダイヤモンドドシェの鑑定書が作成されます。そのため、日本で流通しているエンゲージリングのダイヤモンド鑑定書は「GIAダイヤモンドドシェ」が大半を占めています。