MONNICKENDAM

第一次戦争勃発のため、オランダからイギリスへ移住。本社を、宝石商の街として栄える「ハットガーデン」に、カッティング工場を、英国王室の別荘地として知られる「ブライトン」に設立した。ルイ・モニッケンダムの名声とダイヤモンドの確かな品質は、英国ダイヤモンド産業の発展に大きく貢献することになった。

2代目 アルバート・モニッケンダムは、ルイの技術力とダイヤモンドへの想いを受け継ぎ、「原石に命を与える」というカッティングポリシーを掲げる。技術力の更なる向上、多くの優秀なカッターを育て上げると共に、世界展開にも尽力した。そしてニューヨークの5thアベニューに支社を設立。これによりモニッケンダムは世界へ羽ばたくこととなった。

2代目 アルバート・モニッケンダムは、「高品質なダイヤモンドを生み出す上質な原石」を見極める力が誰よりも優れていたため、デビアスがCSO(中央販売聞機構)をロンドンに設立した際、一番最初に原石を入手した顧客となる。こうして、モニッケンダムのダイヤモンドは、世界の名門ジュエラーへ提供できる体制を整えていった。
 
※デビアス・・・南アフリカ共和国発祥のダイヤモンドの採鉱・流通・加工・卸売会社。

世界で初めて、ダイヤモンドのカラーやクラリティの品質をグレードで表す、「ダイヤモンドグレード」の格付けシステムを考案。カラーは「A」から、クラリティは「1」から始まる基準で判定を行った。

エリザベス女王のご結婚祝いとして、タンザニア政府より寄贈されたダイヤモンド原石のカッティングを担当。見事、エメラルドカットの美しいイヤリングを作り上げ、世界より多大なる称賛を受けた。その後も英国王室との関係は続いており、現在の王冠にも、モニッケンダムがカットを施したダイヤモンドが輝いている。また、王室所有のダイヤモンドコレクションを修復する際のアドバイザーとしても任命を受けている。

ダイヤモンドのガードルを磨き上げる「サークルオブラスター」を開発。ラウンドブリリアントカットのダイヤモンドを真上から覗いたとき、ガードルが光の輪のように輝くことからこのネーミングが付けられた。これにより、ダイヤモンドをさらに美しく輝かせることに成功し、今では他社も取り入れる技法となっている。

キース・ボーエンという優れたカッターが、1/607カラット(0.00164ct)のダイヤモンドに、58面体のフルカットを施すことに成功。道具製作に7ヶ月、8個目の挑戦のときだった。「縫い針の糸を通す部分と同等のサイズ」であるダイヤモンドは「世界最小のフルカットダイヤモンド」として、モニッケンダムのカット技術の高さを表す、象徴的な出来事となった。

優秀なカッターの育成や、厳重な品質管理を実践して作られたダイヤモンド。これらの全生産量の90%を海外へ輸出したことにより、英国経済への貢献が認められる。その後、エリザベス女王より「英国産業賞」が授与された。

4代目 ギャリー・モニッケンダムは、原石から最も美しいダイヤモンドを生み出す「カッティングデザイナー」、「カッティングクリエイター」として高く評価された。ギャリーは「原石のもつすべての良さを取り出す」をポリシーに、更なるブランド力の向上に務めながら、創業者 ルイ・モニッケンダムの技術と理念を継承し、未来に繋げている。